ライフル射撃音による急性音響性難聴の臨床的検討
- hearinghealth27
- 2024年9月27日
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更新日:2024年11月4日
2002年、耳鼻と臨床JーSTAGEにライフル射撃音による急性音響性難聴の臨床的検討に関する記事が掲載されています。
考察
・ 全症例の治療成績は治癒率19%、回復率66%であった。
・ 射撃による発射音は、持続的な騒音とは異なる特性を示すインパルス音【衝撃騒音】
であり、普通の騒音【定常騒音】より内耳障害をきたしやすい。
・ ライフルの射撃音の特性としてピーク音圧レベ ルは約160~170dB、
持続時間は0.3~0.4msecであり、1,000Hz付近に主成分を有する。
・ 音響曝露によって一過性に聴力閾値の変動をきたし、この変動が可逆性で音響曝露後あ
る時間内に回復するものをNITTS(noise-induced temporary threshold shift)といい、
通常数分から16時間以内に回復する。
・ 回復に16時間以上かかるものはdelayed recoveryNITTSとよばれる。
・ 自衛隊員61名の検討によると、ライフル射撃後のNITTSの発生率は約40%であり、
NITTSは6時間後に症例の半数(20%)に、30時間後には症例の1/4(10%)に残存してい
る。
射撃などの大きな音響に暴露後、NITTS(noise-induced temporary threshold shift)が多くの隊員に発生していると窺える考察です。
NITTSを発生させにくい聴覚防護と定期的な聴力検査を行わないと自覚症状の乏しい初期の難聴は気が付きませんね。
つぎは、騒音業務の健康診断はどうなってるかしらべてみましょう❤
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